■この記事のカテゴリー 時の人インタビュー/スポーツ
■この記事の掲載日 2015.02.27

時の人インタビュー

 

市民ランナーとしては最強で最も有名な方。
平成27年1月30日、久喜市市民体育館内ラウンジで
インタビューさせていただいたが、 雪が積もる寒い日だった。

昨年12月21日に行われた防府読売マラソンで優勝した翌日、
練習中に捻挫した足をまだ治療中ということだったが、 2月8日には延岡西日本マラソンに出場、
翌週15日には高知龍馬マラソンでフルマラソン19回目の優勝を果たした。

インタビューの最後に「ご結婚は?」と聞くと、
「オリンピックが終わったくらいに考えます」と答えた。

編集部

インタビュー取材も平成21年、平成24年に続き3回目になります。タウン誌ですから立川に絡んでくださらないと取材できないのですが、この度は立川ハーフマラソンに一般参加ということでご連絡いただき、本当にありがとうございました。学生から刺激をもらいたいというのは本当ですか?

川内

そうですね。直近では3月15日のソウル国際マラソンを狙っています。2週間前ということもあり、立川も毎年学生がたくさん出場していいタイムが出ているので、そこでうまく集団に乗っていけば、ソウルへ向けていいスピード練習になるなと思いました。

編集部

瀬古さん(DeNA Running Club監督)に誘われても、川内さんお断りになったじゃないですか。やはり指導者についてやっていくのは嫌だと以前からおっしゃっていましたが、そういうことですか?

川内

それもありますし、無理していく必要もないですからね。指導者がいると出場レースが絞られてきて、自分の思い通りにはできませんから。

編集部

陸上界を変えたいっておっしゃってましたが、今もそう思っていらっしゃる?

川内

まあ、そうですね。でも陸上界もだいぶ変わってきたので(笑)。好きに走ればいいかなって思っています。

川内優輝さん

編集部

日本代表を経験しても、市民ランナーということでいいんでしょうか?

川内

はい。みなさんと変わらないです。市民ランナーの延長でやっていますし、
そもそもレースの選び方が市民ランナーなので。東京マラソンとかある中で、
高知のマラソン行きますって、あんまりないですよね(笑)

編集部

延岡マラソンの翌週に高知マラソン。2週続けてフルマラソンとか、
ご自分の好きなところに出るんですもんね(笑)。

川内

はい。日本全国(笑)

編集部

立川の市民ランナーが、あっちこっちのレースで川内さんに会ったとおっしゃいます。

川内

ああ、そうですね。よく言われるんですよ。川内さん、どことどことどこで会いましたよね
とか(笑)。皆さんと同じなんですよ。旅行を兼ねたレースに行って、走り終わったら、
僕はアルコール飲まないですけれど代わりに美味しいもの食べるとか。
 

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編集部

川内さんと言えば大食家で、今でも相当食べているように報道されていますが、おいくつになられました?

 

川内

今27歳で、まもなく28です。やっぱり学生の時の方が食べてますよね。

編集部

えくてびあんは川内さんが大学2年の時からのお付き合いですが、どんどん有名人になっていかれて(笑)

川内

はあ(笑)

 

編集部

この間、ご自分の中ではどんなふうに変化されて
いったのでしょう?

川内

昔と同じっていうわけではないですからね。
実際変わってきています。為末さんなどからも以前と今とでは違うって言っていただきます。やっぱり以前は若いといいますか…。もうどんどんやってやろうという感じですね。多少刺激的な発言をしてみたりですね、冒険しているような(笑)。

編集部

そうでしたね。前回のインタビューの時も相当刺激的でしたよ。
今は、マスコミ対応も上手になられましたでしょう?

川内

はい、だいぶ慣れてきました。最近は「マイクを向けられてよくあんなにしゃべれるな」
って 言われます。大学生の頃よりもよりスムーズに言葉が出てくるという感じです。

編集部

誰かにやらされるのではなく、全て自分が自分で決めてやっていることだから、
何を聞かれてもスッと応えられるんでしょうね。

川内

結構テレビの取材なんかですとアナウンサーの方が「質問項目読みますか?」って
言ってくださるんですけど、アドリブで大丈夫ですって答えています。
その方が自然に応えられると思うので。

編集部

今、ライバルはどなたですか?

川内

そうですねえ! 昔は藤原さんとか堀端君とかいたんですけど、藤原さんとは
最近あまり 競るレースもないですし、堀端君もケガが長引いているようですし…。
やっぱり自分自身もケガしているので、自分との闘いになっているかなと思います。
昔はケガをしても自分が焦るだけでしたが、今は招待とかゲストという扱いなので、
待っていてくれる人がいます。そういうレースに、そう簡単に「あ、行けません」
とは言えないので、その辺の調整が難しい部分もあります。

編集部

レースでまだ行っていない都道府県って、ありますか?

川内

まだ10くらいあったんですが、宮崎、高知と続けて行きますので、ひと桁になります。
私も適当に出ているわけではなくて、大きなレースから逆算してレースを選んでいます。
例えばここに出たいと思っても、10㎞のレースではちょっと短いとか、
フルマラソンがあっても、次の週にフルマラソンに出る予定だと2週続けては
きついかなとか。あ、宮崎、高知は2週続けてのフルマラソンですが(笑)。
今までやったことないので、 ここでやってみようと。

編集部

そんなことして、捻挫した足は大丈夫ですか?

川内

だいぶ治ってきているので、なんとか はい…。

編集部

青学の神野君がテレビのインタビューで、今後のマスコミ対応について言及していましたが、気持ちがよくわかるでしょう?

川内

よくわかります。柏原君も相当大変だったみたいですよね。調子の悪い時はもちろん、調子の良い時でもうまい流れがある時に流れを崩されたくないって思ったりします。

編集部

精神状態っていうのは走りにそんなに影響するものですか?

川内

そうですね、やっぱりなかなか気になりだすと急に気になったりするので。
そういうのを克服しちゃって、今井正人さんみたいに超越している人もいます。
今井さんは今トヨタ自動車九州にいて、別府大分毎日マラソンで2位になったり。
私も昨年ニューヨークで負けているんですが。精神的な部分を超えられるかどうかが、
やはり一流と超一流の違いかなと思っています。

編集部

今井さんは超一流っていうことですね?

川内

だと思いますね。凄い方ですよ。人柄もおだやかですし。最近ナショナルチームが作られて、
夏場に私も1回合宿に行ってきたんですが、明らかに一番強かったです。

編集部

そういえば、川内さん、最近倒れないですよね。

川内

そうですね。でもニューヨークとかは倒れてしまって。やっぱり途中で集団から落ちて
追い上げていくようなレースの方がそうなりますね。バテバテになってしまって。
逆にトップ集団でしっかりやっていく時には、そうならない。

編集部

最近倒れないのは、出しきってないのか?なんて観ている方は勝手に思ってしまって(笑)

川内

いやあ、わからないですよ、もしかしたら。マラソン経験積んで来て、どこまで
突っ込んだら 落ちるって体が無意識にわかっちゃってるのかもしれないです。
以前ほど追い込めてない可能性があるので。最近は手とか痺れてくると
どうすればいいかわかっていて、それで対処法が上手くなっている ということもありますが。



 

編集部

ところでお仕事の方はどうですか?

川内

転勤して新しい職場になりましたが、同じ定時制ですし、さすがに6年目にもなりましたし、昼間の仕事も
どんどんやらせて頂いています。

編集部

川内さんのことですから、今までの経験など踏まえて
常に向上を考えていらっしゃるのでしょう?
走る姿と同じですよね。

川内

そうですね。総務主務的仕事全般を担当していますが、今年1年は新しい職場でわからないこともありました。でも1年通して経験したので、来年度は今年の反省を活かして、もっとしっかりやっていけると思います。

編集部

学校の皆さんの反応はどうですか?

川内

それは前の学校もそうだったんですけれど、4月の始めには多少騒がれたりします。
でもやっぱりだんだん慣れてきます。他の先生方とも話すんですけれど、
その慣れてくるっていうのがいいと思うんです。廊下歩いているあの人があんな結果
出せるんだったら、 自分たちもやれるんじゃないかって思っていただける。

編集部

川内さんのようになれるなんて思わないですよ(笑)。前回のインタビューは
箱根駅伝予選会の応援の時でしたが、他の人があまり行かない場所まで小走りで行かれるので、
追いかけながら話すのが本当に大変でした(笑)

川内

去年もそこで応援しましたよ。やはりあまり人がいなかった(笑)。
予選会も年々盛り上がっていますよね。昨年は、優勝した村山(紘太:城西大学)君の
走りを観ていてビビッと来て、 すごいなと衝撃を受けました。
観ている人はこういう気持ちになるんだなあと。外国人を引き離してトップで走る、
周囲も盛り上がりましたが 私自身も盛り上がりました。

 

編集部

そうでしたねえ。ところで川内さん。立川は本気で走るんですよね?

川内

まあ、もちろん本気では走ります。が、ソウルの調整というのもありますし、今は足がこういう状態なのでどこまで回復するかわからないですし。スポーツ新聞などでは「神野君と対決」なんて煽られているんですけど。彼はユニバーシアードかかってますから、かなり本気で来ますよね。

編集部

最初の頃はこんなにすごい大会になっちゃうと思わなかったんですよ。最近はごっそり来ますからね、強い学生が。その集団と市民ランナーとが全然違うんですよね。

川内

全然違いますね。

編集部

トップ集団、そこにいるんですよね、もちろん?(笑)

川内

あ、あ、もちろんですよ、私もさすがに上位の方にはいると思うので。
上位の方で、学生プラス川内、みたいな(笑)。そうなっていると思います。
立川も箱根の予選会からですから6年ぶりで、ちょっと楽しみではあります。
学生の刺激になるように、頑張ります。

 

レース後の川内選手のコメント


「今回の立川ハーフは気候的に走るには最高のコンディションでしたので、自己記録を出した選手
(私の練習仲間も自己記録でした)も多かったのですが、私は怪我の影響もあり、先頭集団では走らず、
後方からスタートしました。そのため、闘える状態になかったことは悔しかったのですが、
普段のレースとは違った景色を見ることができました。  
   まず、自衛隊滑走路の最初のカーブに差しかかったときに先頭集団が2番目のカーブを
既に曲がっているのを見て、改めて先頭集団の速さを認識できました。また、そうした先頭集団から
私の走っていた場所まで、大学生を中心とした列が途切れることなく連なっていたのも圧巻で、
「立川ハーフってすごいな」と大学生に支えられた競技水準の高さとその圧倒的な人数を実感できました。
脚の状態もあり、ほぼ一定のペースでゆるやかにペースが上がって行くような走りになったので、
自衛隊滑走路の2周目からは、最初にオーバーペースで突っ込んでいった数百人の大学生を一方的に
追い抜かしていくことができ、本当に楽しいレースになりました。また、昭和記念公園に入ってからは
高校2年時の関東高校駅伝でライバルと競り合った記憶や大学時代の箱根駅伝予選会の記憶が
蘇って楽しくなってきました。毎年箱根駅伝予選会で私が後輩たちを応援している付近を通過するときには
「やっぱりこの地点で声を出してもらえば気づくな」と再認識できました。
ずっとペースを上げたいのを我慢して今回はペース走をしていましたが、ラスト700mくらいだけ、
競ってきた選手に負けるのが「ランナー」として悔しくなってしまって、振り切るために少しペースを
上げてしまいました。「失敗した」とゴールしてから思ったのですが、レース後に地元の整体師の方々の
ボランティアブースで無料マッサージを受けたこともあって、怪我は悪化しませんでした。
今回は楽しいけれど悔しい立川ハーフになってしまいましたが、またいつか学生たちとベストな状態で
闘いたいと思います。朝早くからボランティアや応援で大会運営を支えて下さった立川市民のみなさん、
本当にありがとうございました。」

 


[川内優輝さん過去記事]

挑戦!見据えるのは世界 
箱根駅伝予選会のヒーローから
市民ランナーの星へ


もうひとつの箱根駅伝 
――箱根駅伝予選会 
今年、箱根6区を学連選抜で走った

 

(写真中央:川内優輝選手)

 

川内優輝 立川を走る!