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| 立川のアカデミックゾーンの中でも 究極アカデミックな雰囲気を漂わせているのがここ。 建物の1階にある3つの図書室。 国文学研究資料館と統計数理研究所、それに国立極地研究所の図書室が結集。 その中から今回は極地研の情報図書室、早川係長と南山さんにお話をきいた。 |
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早川順子さん
- ―こういうお仕事につくということは、やはり本がお好きなのでしょうね。
- 早川
- それは当たり前過ぎますね(笑)。
私の場合は本が好きというより読むことが好きです。家族がみんな読むことが好き(活字中毒)で、欠乏すると昔は母が無料カタログをもらってきてそれを読んだりもしていました。 - ―すごい! そんな早川さんのいらしゃる極地研の図書室の特徴は?
- 早川
- 私はここに来て7年目なのですが、極地に関する研究者ではありませんので、特にそのことに詳しいわけではありません。
そういう私でもきちっと整理されていれば探すことができます。
ノウハウに則って整理することが図書館の技術なのですが、そのことがきちっとされている。それがこの図書館の特徴です。
- ―そうでないということもあるわけですか?
- 早川
- 並べられ方が時系列だったり、あるべき場所が分かれていたり。後から直しようもなく、そのままの場合が多いです。半端な集められ方だったり。
本は世の中に出たときにピックしないと、コレクションとして集められません。常にアンテナを張ってタイムリーにピックアップする力と、ピックしたものをカタロギングして、例えば背にタイトルを貼ってその場所に並べる。この両方が常にできないと図書館は維持継続できません。
ここは前任の方が素晴らしく技術をもった方で、きちんとしてありました。ですから本が紛れてどこかに行ってしまうということや、極地の情報が必ずあるので突然探しにきた方でも失望させてしまうとういうことがありません。 - ―以前はまったく別分野の図書館だった。そういう意味ではあらゆる分野の勉強をしなければならないということでしょうか?
- 早川
- そうですね。でもひとつの技術を持っていれば、ある程度の応用は効きます。人文系と自然科学系では多少違う面もありますが、図書館司書として資料を整理して公開する点では同じです。

- ―この本は「秋田犬」という本なんですか?
- 早川
- はい。THE AKITA JOURNALと言いまして、秋田犬のことを書いてあるんですけれど、書いたのはアメリカ人。
この号では、タローとジロー、今は南極に犬は持ち込めませんが、観測隊が連れて行った犬のことが書いてあります。ディズニー映画の「南極物語」は犬の結び方とかをいやに丁寧に映していましたが、ここにも犬の結び方が書いてあり、どうやらこれを読んだのではないかと思いました。
英語で書かれたタロー&ジローのお話ということでこの本も置いてあります。


- ―こちらは?
- 早川
- これは前任の方が大事にしていらした文庫からです。
南極観測が始まる前から発足していた「日本極地研究会」というのがあります。谷口さんという方と木村さんという方が設立したのですが、お二人は拓殖大学在学中に登山などをされていて白瀬矗さんのことを知ったそうです。そこから白瀬矗さんにお会いになって、白瀬さんを会長に始まった会なんですね。
木村さんは南極の探検について突出した資料を集めていらして、お持ちになっていた中から200冊程こちらに寄贈くださいました。それを木村義昌文庫として保管しています。

- ―図書室の役割としてはジャーナルを出版することも重要なお仕事だそうですが。
- 早川
- はい。科学者としてはジャーナルに投稿するということが最も重要なことです。ただ特殊な分野ですので、分野が細すぎて認知度の高いジャーナルにはなかなか採用されないということもあります。ですので研究所で出版するということも大事になります。
図書館司書というのはメインでやる仕事は少なくて、サポート、媒介者の立ち位置ですね。 - ―サポート的な目で見て、日本の極地研究をどのように思われますか?
- 早川
- 論文数は多いです。極地研が関わっている地球科学の分野で超メジャーなジャーナルがあるのですが、そこに極地研の先生方が多く投稿され、採用されています。
- ―スタッフも少ないし、大変なお仕事ですよね。
- 早川
- 最近わかってきたんですけれど、何事ものめり込んじゃいけないって(笑)。のめり込んじゃうと突き詰めてしまって上がりが早くなってしまうから。
どんなことにもいい面と悪い面があるし、直情型に走ってしまうと跳ね返ってきてしまうということもわかって、この図書館も何件目かの仕事先ですが、始めからアクセル踏みすぎないようにやろうとしてきました。 - ―早川さんは京都のご出身と聞きましたが、息抜きは何をなさるんですか?
- 早川
- お茶のお稽古だったり。お茶は19年続けています。それから時々お琴を弾いたり。
実家が着物の商売をしていて、和的なので選択肢が他になかったんですね。お正月なんて大変でしたよ(笑)。 - ―なんだか、早川さんの別の面を見たような気がします。
- 早川
- 図書館も、研究所もそうですけれど、長く続けてこそなんですよ。私のいた図書館でも無くなってしまったところもあります。長く続けるにはきちんと資金を獲得しなければいけないし、資金を獲得した成果をみなさんにお渡しできるようになっていないといけないと思いますね。
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スタッフのみなさん
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南山泰之さん
- ―南山さんはいつ南極に行かれたんですか?
- 南山
- 2007年の11月から4ヶ月。夏隊の庶務です。
- ―司書として極地研に就職されて、5年。どうすれば観測隊員になることは可能なのですか?
- 南山
- 機械や調理、医療や研究観測など、高い専門性を持った人や、学術機関の職員であれば可能性があります。極地研の職員もそうですね。あとは、体力が必要ですから、それが(選ばれる上で)よかったのかもしれません。向こうは白夜なのでずっと働き詰めというのが大変でしたね。
- ―良かったことは?
- 南山
- 物事に対する感覚が変わりましたね。大きな視野に立って見られるようになったといいますか。直接仕事に関わることとしては、いろいろな職業の方と接したので、図書室の利用者に対する視点が変わりました。

- ―どうしてこの職業を選ばれたのですか?
- 南山
- もともと本が好きだった、とやっぱりこうなりますね(笑)。司書はだいたいみんなそうだと思います。本に囲まれることが好きですね。ネットでは味わえない、触って読めるという感覚も好きです。
- ―それにしても声が小さいですね。今までインタビューさせていただいた極地研の方々とは全然違う‥‥
- 南山
- それはそうですね。隊員は声が大きいですから。庶務の時は大変でした(笑)。
- ―この図書室のすごいところを教えていただけますか?
- 南山
- 日本の極域観測のデータベースとして図書室があると思うのですが、そのデータベースという観点からすると、極域に関して網羅的に蒐集している図書室はここしかないという点です。
1910年代からの極域観測についてのものを、つまり歴史的価値もあるものを一通り揃えてもっています。そのような図書室でないと、諸外国の極地研究所と共同したデータベース作成を担当できない。
極域観測を諸外国と協力してやるという上で、資料の一次的集積地になれるのはここしかないということなんです。

- ―それってすごいことじゃないですか。
- 南山
- すごいことだと思います。他の国ではここにしかないという資料でも、うちにはあったりしますから。
日本国内で極域に関することでしたら、まずうちに来てもらえば、わざわざ外国に行かなくてもすんでしまうということも多々あります。 - ―南山さんはどんな風にストレス解消しているのですか?
- 南山
- ストレス‥‥。ストレス解消は合気道ですかね。大学の時から続けているので10年近くになります。あとは本を読むことでしょうか。






