箱根駅伝第90回 箱根駅伝本戦出場校 in 多摩

陸上競技部監督　下重 庄三氏 （福島県出身）

箱根駅伝本戦に向けて、今、監督の心に浮かぶ「ひとつの言葉」とは。

「継承」

2012年4月、同郷でかつて教え子だった神山コーチと、
母校の国士舘へ。
監督になって初めての箱根駅伝。
昨年の予選会で通過できなかった分まで、今年一年、
一年生も含めてやってきた。
国士舘は4年後、創立100周年を迎える。
そこに向かって、さらに積極性を持ってトレーニングを強化している。
かつて「暴れん坊 国士舘」と呼ばれたりした。
すごい走りをするけれど失敗もする、と（笑）。
昔のいいところも復活させたいと思う。
本戦出場を機に、黒いユニフォームの黄色のラインを取った。
先輩のいいところを受け継ぎながら、
新たな国士舘カラーを打ち出していきたい。

コーチ　神山 大樹氏 （福島県出身）

箱根駅伝本戦に向けて

下重監督は、高校陸上部時代からの恩師。
自分の大学4年間は、故障が多く苦しかった。
そこで人の支えの大きさを痛感した。
だから今、選手たちに「感謝の気持ちを大事にしなさい」と言える。
自分を見失わないで目標に向かえるのも、人の支えのおかげ。
人間力の向上があって、競技力の向上もあると思う。
下からの挑戦になるけれど、上を見て。最大限の力を発揮してほしい。

主将　池上 聖史選手 （宮崎県出身）

コンディションが良くない時、自分に言い聞かすこと。

たとえばスピード系の練習をする時「今日は調子が悪い」
「足に違和感がある」と素直に言って、控えさせてもらう。
自分が一年の時は、先輩に対してどこか緊張していたので
こういう先輩像がいいんじゃないかと、今の4年生で話し合って。
先輩、後輩、分け隔てなく、あらゆる垣根を越えて
コミュニケーション出来るチームを作ってます。
やはり4年生が向上意識を持ってしっかりやらないと
下級生はついてこない。
あまり口で言うタイプではないけれど、
ポイントポイントで言葉をかけるようにしています。

「競技者」としての主将に元気をくれる曲

MAN WITH A MISSION 「Emotions」

イントロの「明日に希望を持って羽ばたいていこう」
というメッセージもいい。
気分がのれる曲を、何度もリピートして聴きます。

主務　時広 暁良さん（山口県出身）

チームを一つにするために心がけていること。

たとえばエントリーの際にミスがないか、
色々な仕事の確認作業を怠らないよう、徹底してやっています。
また誰に対しても平等に、選手一人ひとりのことを把握して。
選手の方から気軽に相談してもらえるように、
練習中もよく声をかけたりします。
学生同士だと弱いところも言いやすいと思うので。

つらいと感じること

大学2年まで選手でした。
寮生にもマネージャーをという時、
「信頼できるから」と投票で選ばれた。
正直、葛藤もあったけど、後ろをふり返らず、
前だけ見てやっていこうと。
主務の仕事が終わらず、夜遅く寮に帰って一人食事をとって、
風呂に入ってという時は、ちょっとつらいなぁって。
でも選手達が挑戦会などで、
自己ベストをどんどん出してくれるとうれしくて。
「マネージャーが日頃よくやってくれるから」と
選手から言ってもらった時は涙が出ました。

Special Thanks　　寮  食事ご担当
後藤 るり子さん（鹿児島県出身）左
太田 美代子さん（東京都出身）

部員の皆さんの印象。

この子たち、青春の一番いい時を迎えて走ってる。
その姿っていうのはもう、輝いてますよね。
素直で、頑張ってて。

こんな気持ちで「箱根駅伝本戦」を見つめています。

この寮に来て7年。
野菜を切ったり、下準備は私たちがしますけど
ご飯を炊いたり、お味噌汁を作ったり、 1年生二人で
47人分の 炊事をするんです。子供たちが!
2年ほど箱根に出られなかったので、
予選会の前は「今年こそ」とそれこそ神頼み。
本戦出場が決まった時は、みんなで喜びました。
本戦はとにかく平常心で。ケガをせず走ってくれたらそれでいい。
「卒業しても会いに来てね」。（後藤さん）