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「立川から発信するアーティスト」かぶりもの作家 ニシハラ★ノリオさん


2016/11/01
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街のかお

「立川から発信するアーティスト」 Vol.3 かぶりもの作家 ニシハラ★ノリオさん




Props costumes Artist ニシハラ★ノリオ (Nishihara Norio)

美術制作会社にて
立体造形の制作に携わる。
数々のテレビ番組の
かぶり物(主にビートたけしさん)や、
舞台オブジェを世に送り出す。 
2004年より個人での
作家活動に舞台を移す。 
同年、金沢21世紀美術館で
初のカブレル展示&
ダンサーによるパフォーマンス。 
2012年パリ日本文化会館で
カブレル展示&ワークショップ。 
2014年ロンドン→マドリッド→
永福町(東京)"三大都市"で
カブリモノツアー決行。
2016年おおさかカンヴァス
にて展示&ワークショップ。
CМ、映画、舞台美術と
幅広く活動中。 

HP: http://www.norionishihara.com/


 

"はだかの王様"に
なって嘲笑されるよりも、
かぶりものを被って、
大笑いされる方が
だんぜん楽しい!

「それでいいんだよ」
故・岡本太郎氏の声に
背中を押され、
日々、真剣に"ふざけ"続ける
かぶりもの作家
ニシハラ★ノリオさん。

太陽の塔の下で開催される
アーティスト達の
祭典『大阪カンヴァス2016』
を前に、独特の世界を
のぞかせていただいた。

制約がある中で
作るのも楽しい。

23~33才まで舞台美術の
制作に携わっていました。
最初はすっごく面白くて、
こんなことして
お金をもらえるんだぁって。
商業美術は
答えを出す人がいて、
その人の手となり、
足となって作る世界。
技術マシンですね。



◆軽いウレタン素材で作られているため、子供から大人まで誰でも簡単にかぶれるかぶりもの。

なんだこれ?
オモシロイ!が好き。

製作会社で仕事をしながら、
自分の作品もずっと
作っていたんです。
その比重がだんだん
変わってきて。
商業関連の仕事も、
監督と直接話して
作ることが増えていった。
「こんな感じでたのむよ」って、
ざっくりとしたイメージを
言葉で伝えられて。

本番で、実物を持って
いった時には
大爆笑!みたいな。
いざ撮影という時に、
盛り上がらないと
ダメですからね。
見せた瞬間の
リアクションで
決まるところって
ありますから。



◆大人の方がかぶってるのを見るのが、特におもしろい。そおっとかぶって、鏡見て「ほぅ」って
つぶやきながら戻して…。
 
 

パンクロックみたいに、
"視覚の音"を出したい。

僕は音楽が好きなので。
美術でも音を表現したいなって
思っていました。
たとえばパンクの人が
ジャンプしたりするような音。
美術は視覚だけじゃない、
やはりグルーブ感が
一番重要だなって思います。

誰かに教わって、
じゃこれを作りましょう、
それもありだと思うけど、
世の中に出していく人は
それじゃダメなんじゃないかな。
その人にしか出せないものを
創り出す、オリジナリティが
大事だと。

安心感なんて
なにもないけど。
自分がよし!と思えたら、
何言われても
僕はなんとも思わないです。

昔は、人に対して"このやろう"。
今は自分自身に怒ってる(笑)

小4くらいだったかな。
絵の授業で
デッサンして、色を塗って…
という順序を先生が
教えるんですけど、
僕はいきなり絵の具で
塗ったりしてた。
それを見て先生は
いつも「ダメダメ」って。
ある時、先生が怒って
僕の絵を水で流して
しまったんです。
それで挑戦的な気持ちで、
すっごく細かく鉛筆で
下書きしたらホメられた。
その頃からかな、
"このやろう"というのが
芽生え始めたのは。

昔は人に対して
"あいつは敵だ、
このやろう"って戦っていれば
よかったけど。
それもだんだんなくなっていく。
いや、今も少しあるかな。


 



ロンドンで行ったワークショップでは、ジャマイカン、アフリカン、スパニッシュ系、中東、黒人の方々も
多数来場。ニシハラさんの作品は、あらゆる垣根を超えて世界中の人に愛されている。



 
作り始めはいつも
いいんですよ。
よぉし、これ作るぞ、
楽しい~!って。
そのうちギャラのこととか
色々考えると
"これ全然儲からないじゃん"
って思ってきたりして。
でもスイッチが入る、
瞬間があるんです。
"作るって決めたじゃないか"
"もういい。お金もみんな
使っちゃえ。完成させよう"
半ば自分に怒りながら(笑)。

自分の中で、きたココ!って
瞬間が2回あって。
アイデアが出た時と
それが形になった時。
あ、きたきたって。
そんな時?!
縄跳びします。(笑)

僕のテーマは
「一生懸命ふざけよう」。

かっこよくて
売れるものとか、
すごいおしゃれで
キレイなものとか。
みんなが欲しいものを
考えなきゃいけない
人たちもいますよね。
僕は、ヘタにかっこ
つけるくらいだったら、
ふざけ続けてやる、
というのがずっとあります。

昔は "わぁ~あの人、
ふりきっちゃってるわ"
っていうくらい、
かっこつける人が
いっぱいいたのに。
今はかっこつけることを、
かっこ悪いと思ってるから。
それならトコトン
ふざければいいのに、
それもできない。



立川市柴崎町のアトリエで、朝8時から仕事を始めるニシハラさん。 

家族には、
「勝手なことやっちゃって
すみません」。

僕は3人姉弟の末っ子で。
1つ上の兄貴は、大分で
家業のかんづめ工場を、
継いでいます。
製造って大変なんです。
僕はくだらないこと
やってるけど、
みんな「がんばれ!」
って応援してくれる。
兄も「俺はお前のようなことは、
出来ない。がんばってるね」って。
僕からしたら
「いや、兄ちゃんこそ」って。

自由に好きなこと
やってるけど、
ちゃんとやらなきゃ
いけないな、ヘンなこと
出来ないなって思います。

「変なの~」
「バカじゃないの?」
それが成功。

かぶりものって、
コミュニケーション
ツールなんです。
スペインの大使、
美術館の館長、
日本文化交流基金の室長…
どの世界のおエライさんも、
かぶっちゃえば
肩書も何も関係なく
みんな同じに
なりますから。

「どうぞ」って勧めると、
最初は「いや、いい」って
言うんです。
でもこういうのって、
似合うもクソもないので。
案外、ストレス発散に
なりますよ。

個人のかぶり物から、
ランドスケープまで。

展覧会も決まってるのに、
作るものが全然決まらない、
ああ、どうしよう~って、
眠れなくなっちゃいます。
そんな時は、
ギリギリまで待ちますね。
落ち着くまで。

作り始めると疲れるので
逆に眠れます。
もう疲れた…
いや、でも完成するまで
頑張ろう。完成したら
死んでもいいや。
死んだら誰かが
かぶってくれるだろうって(笑)




Vol.1 デザイナー 寺西麻紀さん
Vol.2 イラストレーター 清水美和さん
Vol.4 映像作家 波田野州平さん
Vol.5 シンガー 松本野々歩さん
Vol.6 油彩画家 槇島 藍さん
Vol.7 ダンサー 松本更紗さん
 
 
 

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