街のインフォメーション

岡田紅陽
富士望景―武蔵野から2020年8月8日(土)~9月22日(火祝)予定

  • エリア その他
  • ジャンル 展覧会

 
武蔵野市ゆかりの写真家・岡田紅陽(本名・賢治郎1895-1972)。
岡田は新潟県の現・十日町市に生まれました。父や祖父は書画の才に秀で、芸術が身近な家庭環境にあったといいます。早稲田大学進学後から写真表現に熱心に取り組むようになった岡田は、1916年、忍野村滞在時に富士山の姿に圧倒され、以来、富士山の撮影に生涯を捧げることを決意します。

山岳写真家・芸術写真家の先駆けとなった岡田の写真は、数々の国際親善の場において各国首脳などに献呈され、”富士の写真家”として国内外にひろく知られることとなりました。身近なところでも彼の写真に触れる機会は多く、多数の郵便切手に彼の写真が採用されたほか、旧五千円紙幣および現行千円紙幣の裏面を飾る”逆さ富士”の装画は、《湖畔の春》がもとになっています。

岡田紅陽 《湖畔の春》1935年撮影 武蔵野市蔵

さらに、岡田の活躍は富士山の撮影にとどまらず、各地の国立公園に足を運んで風景美を多数写真におさめて国内外に紹介したり、日本観光写真連盟や日本写真協会など写真家団体の設立に携わったりするなど、写真の普及にも幅広く尽力しました。川端龍子、川合玉堂、横山大観、林武、朝倉文夫といった、明治から昭和を彩る芸術家たちとの親交も特筆すべきでしょう。

長く居住していた都心部に高層ビルが建ち並び、富士山を眺めるのが困難になったことから、岡田は1961年に武蔵野市へ移住、晩年までの10年あまりを過ごしました。武蔵野の自庭には2階建ての別棟をこしらえ、その上から富士山をのぞんでいたといいます。

岡田紅陽《月光》1968年撮影 武蔵野市蔵

富士山を「富士子」と呼ぶほどに愛し、その刻々とうつりかわる表情に向き合い、「富士こそわが命の根幹」と語っていた岡田。彼の写真は、古来より「富士」という存在を畏れ、あるいは希求してきた日本人の精神を具現するのみならず、富士山を通して感覚される普遍的な美にも迫っています。

いっぽうで、彼の死後スタジオに遺されていた未現象のフィルムには、郊外の夕暮れや井の頭池の朝など、武蔵野での暮らしのなかに流れていた穏やかな時間がそのままにおさめられているものもあり、富士山に対峙するときとは異なる岡田の目線も、うかがい知ることができます。

岡田は、関東大震災直後の被災地の記録撮影や、大戦の空襲によるネガや乾板の焼失も経験しました。日本が平和の暮らしをふたたび獲得し、高度成長期を迎えるなか、彼はどのような思いを抱いて富士山に向かったのでしょうか。また、都心部の喧噪から少し離れた武蔵野での暮らしは、彼に何をもたらしたのでしょうか。

周囲の様相がどれほど変転しようと、その麗姿をもって日本的精神の拠でありつづける富士山。かつてないほどの不安を抱えることとなった2020年ですが、富士山にひたすら向かい続けた岡田の姿を追いながら、艱難のうちにあってなお変わらぬものとはなにかを、問い直したいと思います。

岡田紅陽《井の頭より》1971年撮影 武蔵野市蔵

入館料

一般300円、中高生100円(小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)
【新型コロナウィルス感染症予防対策にご協力ください】
■マスクの着用をお願いいたします
■入口にて非接触型体温計により検温をさせていただきます
■館内各所に消毒液を設置しておりますので、入退館の際は手指を消毒してください
■入館時、日時・代表者氏名・連絡先電話番号・住所(市町村名)・人数のご記入をいただきます(書式は吉祥寺美術館公式ホームページよりダウンロードいただけます)
■ご滞在は1時間程度までを目安としてください
■他のお客様とは2m程度の距離をとっていただき、飛沫拡散防止のためできるだけ会話はお控えください
■密集等の混乱を防ぐため、18:30頃までを目安にお越しください
■混雑した場合は人数制限をおこない、ご入館いただけない場合もございますので、ご了承ください
名称 岡田紅陽 
富士望景―武蔵野から
イベント日程

8月8日(土)~9月22日(火祝)予定
10:00~19:30
【休館日】8/26(水)
 

イベント会場名称 武蔵野市立吉祥寺美術館
所在地 武蔵野市吉祥寺本町1-8-16
コピス吉祥寺A館7階
交通アクセス
※美術館専用の駐車場はありません。