自宅で5分!

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第7回 ゴムチューブで手軽に! 下半身のトレーニング

教えてくれる人 富士 貴大さん

■Profile

1992年生まれ。学生時代、柔道競技の体作りのためにウェイトトレーニングを開始。
ボディビルではマッスルゲート神奈川2024一般の部75㎏以下級優勝。
主な資格は、健康体力づくり事業財団認定・健康運動実践指導者、全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)、日本コアコンディショニング協会認定・ベーシックインストラクター(JCCA)。
現在は立川市、泉市民体育館でパーソナルトレーナーとして活躍中。

 


第5、6回は、重り(ダンベル)を使った応用編のトレーニングをご紹介しました。今回は、やはり道具を使いますが、ダンベルよりも簡単に扱えるゴムチューブを使ったトレーニングです。まずは、下半身を鍛える4種目からスタート。ゴムチューブは、スポーツ用品店だけでなく、100円ショップなどでも入手可能なのでぜひ、挑戦してみてください。

メリット、デメリットを知って
ゴムチューブを上手に活用!

富士さん:皆さん、トレーニングは順調ですか? 楽しく健康的に体作りはできていますでしょうか。私は、食欲の秋と絶賛奮闘中です(汗)。
さて、第7回はトレーニングの補助的な道具であるゴムチューブを使います。
今回使うゴムチューブは、幅約10cm、外径約30cmのバンドタイプのものです。ゴムの硬さは色々あり、初心者には柔らかめのものがおすすめです。ネット通販ですと異なる強度のバンドの5本セットがだいたい1000円前後で入手できます。

まずは、ゴムチューブを使ったトレーニングのメリット、デメリットを見ていきましょう。

 ◎メリット
 1.ケガのリスクが少ない
 2.安価で手軽に入手できる
 3.持ち運びしやすい


 ◎デメリット
 1.強度の調整が難しい
 2.筋肥大にはやや不向き


富士さん
:ゴムチューブは、自分の力によって伸び縮みをコントロールしますから、無理なくトレーニングできます。また、ダンベルを持っていてうっかり足にぶつけたり、落としたりということもないので、ケガのリスクが少ないところがメリットです。100円ショップなどでも売っていますから、初めての人にも手にしやすいツールといえますね。軽いし小さくたためますので持ち運びでき、自宅以外でもトレーニングできるというメリットがあります。

反対にデメリットは、ゴムの強度選びが難しいというところがまずあります。ゴムが硬すぎると初心者には伸ばしづらくなります。もう1点は、筋肉を鍛えるには、やや不向きです。筋肉を大きくしたい場合は、やはり重量の負荷をかけるほうが効果的ですが、逆を言えば、筋力に自信がない人、筋肉をつけるよりも体幹を鍛え、バランスの良い体づくりを目指す人にはおすすめのトレーニングです。
では、実際のトレーニングを始めてみましょう。


お尻をひきしめる
クラムシェル

富士さん:クラムシェルは、お尻の筋肉を鍛えるトレーニングです。初心者は、柔らかめのゴムを選んでください。
まずは動画をご覧ください。

 

①   ゴムバンドが膝の上にくるようにつける。
②   床に横向きになるように寝て、腰と膝を軽く曲げる。
③   かかとをつけたまま、膝を上げ、ゆっくり戻す。

富士さん:ポイントは、かかとをつけたまま膝を上げること。かかとを離してしまうと、負荷が抜けてしまいます。そして膝をゆっくり戻し、膝同士をつけずにまた上げます。お尻に手を当てると力を入れているのがよくわかりますよ。
ほかのトレーニングと同様、1セット10回として、左右2~3セットできればOKです。

編集部:お尻に手を当てると、お尻の筋肉を使っていることがよくわかりますね! ももの力なのかと思ってました。

ヒップアップに最適!
ヒップアブダクション

富士さん:ヒップアブダクションは、お尻の上の方の筋肉に働きかけるトレーニングです。丸みのあるヒップラインをつくるためには最適の種目です。
 
①  ゴムバンドが足首にくるようにつけ、身体は横向きで腰と膝は伸ばす。
②  足をまっすぐ伸ばしたまま、上げ、ゆっくり戻す。
富士さん:こちらも戻すときはゆっくり、両かかとがつく前に再度上げます。足首を上げようとするよりも、股関節から足を動かすようにイメージしてください。1セット10回として左右2~3セットを目標にしましょう。

ももの裏側を鍛える!
バックキック

編集部:バックキックは、ふだんは鍛えにくいももの裏側を鍛える種目です。ゴムチューブで負荷をかけることで、無理なく鍛えられます。
これは、動画で見てみましょう。

 

 

①   バンドを片方の足首ともう片方の足の裏にかける。
②  床に四つん這いの姿勢になり、バンドを足裏にかけた方の足を少し浮かせる。
③   浮かせた方の足を後方に蹴るように伸ばし、膝がつかないようにゆっくり戻す。

富士さん:バックキックという名のとおり、後ろに向けて蹴る動作です。硬いゴムバンドですと足を伸ばしづらいので、初めは柔らかめのバンドを選ぶとやりやすいですよ。こちらも片足10回を1セットに、両足で2~3セットを目指しましょう。

最初は難しそうに見えたけど、思ったより足の力ってあるんですね! 初心者でもジムのゴムチューブでしっかりトレーニングできました! by編集部


軽快に歩くために
レッグレイズ

富士さん:  最後のレッグレイズは、腸腰筋といって足を上げるときに大事な筋肉を鍛えるトレーニングです。この腸腰筋の働きが衰えると、歩幅が狭くなったり、低い段差につまづきやすくなったりするので、高齢の方には特に大切な筋肉です。
①   ゴムバンドを足首にくるようにつけ、仰向けになり、片足を少し浮かせる。
①   浮かせた足をゆっくりと上げ、最初の位置までゆっくり戻す。

富士さん:ポイントは、足首を上げるのではなく、股関節から動かすことです。膝は曲げて大丈夫です。片足10回を1セットに両足で2~3セットできればOKです。
このトレーニングは、戻す時にどうしても負荷が抜けやすいので、立位もおすすめです。負荷が抜けにくく、体幹も鍛えられますよ!

編集部:平らなところでつまづいたりします(汗)。腸腰筋がポイントですね!

このレッグレイズだけでなく、他のトレーニングも股関節を中心にして動かすことを意識するとよいそうです! 腸腰筋って大事なんですね! by編集部


自分に合った道具を使って
トレーニングを身近に

編集部:今回はゴムチューブを使ったトレーニングを教えていただきました。ダンベルよりも簡単な印象です。

富士さん:そうですね。軽くて場所もとりませんから、身近な場所において、テレビを見ながらでもできる手軽なトレーニング方法です。負荷が大きくて苦しかったり、やり方自体が難しかったりするものは、持続が難しいので、トレーニングを習慣化していただくには、やはり手軽なもの、体に無理のないものから始めることが大事です。
ゴムチューブは、負荷もかけられますから効果もある程度期待できますし、おすすめです。持ち運びも便利ですから、旅先などでもトレーニングできますよ。私は、ボディビルの大会に出場するときなどは、出場前のパンプアップ(血流を促して筋肉をはらせること)時に利用しています。選手たちはみんな、持ち手のついたゴムチューブを持ってきてますよ。

編集部より

ゴムバンド一本で、色々なトレーニングができるのにびっくりしました。初心者には、十分負荷がかかるので、トレーニングしている充実感もあります! 置き場所をとらないコンパクトさも魅力。まずは柔らかめのものを入手して、始めてみませんか?