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インタビュー

見果てぬ夢を現実に‥‥
​すべてのブルーベリーはここから始まった島村農園 島村 速雄さん(小平市)

とにかく一度、そのブルーベリーを口にしてほしい。
1粒ずつではなく、頬ばるのだ。
「甘酸っぱい」なんてとんでもない。
「甘い」としか言いようがない。
今まで食べていたブルーベリーは何だったのか‥‥
とさえ思ってしまう。
キーンと冷やすとさらに甘みが増して、
それはそれは贅沢な果物になる!

——それが島村速雄さんの作るブルーベリー。

島村 速雄さん(小平市)

島村農園
小平市花小金井南町1-10-13
電話 042−461−7824

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ブルーベリーを語る。目が熱い。

 故岩垣駛夫さんは、日本のブルーベリーの父と呼ばれている。東京農工大学の教授だった岩垣先生はアメリカからブルーベリーを持ち帰り、まだ誰も見向きもしなかったその栽培に情熱を捧げた。当時農工大の学生だった島村速雄さんは、「島村の家は農家なんだから、この栽培を」と託され、以来先生の情熱に負けない気力でおいしいブル—ベリーを作り続けている。全国のブルーベリーは、元をたどれば必ず島村農園にたどりつくのだ。

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最も美味しい
「ティフブルー」

 とにかく美味しい。「酸っぱい」「当たり外れがある」「ジャムにして食べるもの」といった概念を吹き飛ばしてしまう味だ。生で、それも冷やしたブルーベリーを頬ばる。プツプツと皮が破れて、冷たくて甘い果汁が上品な香りと共に喉を流れていく。

収穫した実を選別しながら島村さんは言う。

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こうして丹念に熟した実を選り分ける

「『ブルーベリーは果物なんだ。形が認められて、形とともに味が人気にならなければダメだ』と岩垣先生は始終おっしゃっていた。生食する果物にしなければ。しかしなかなかそうならない。なぜなら生産者自身がそう思っていないから。
ブルーベリーを生食用の果物にするには、甘い粒を選別する眼が必要。それが大変なんです。
観光農園はお客様が農園の中で動き回るのが楽しいのでしょうね。うちにいらっしゃるリピーターさんは『甘くなりましたか?』と尋ねて来られ、畑には行かない。こちらで収穫した甘いものだけを購入されます」。

 ブルーベリーは房状に花が咲く。端から12ぐらいの花が約1カ月かけて開花し、実をつけていく。例えば1日に咲いた花と20日過ぎに咲いた花が同じ房の中にあるというわけだ。
もちろん熟すのも同じようにずれてくる。一旦黒く発色した実は、熟しているかどうか見分けがつかない。充分熟さないうちに採ってしまうと、酸っぱい実ばかりになってしまう。甘いのだけ採ろうとすると効率が悪い。

 本当においしいブルーベリーを食べたかったら、ブルーベリー農園に行って「甘いブルーベリーをください」と言えばいいのだ。

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房状に実をつける。
熟した実とそうでないものが混在している
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ブルーベリーの原種と品種改良されたもの