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インタビュー

英国王立園芸協会主催
『THE RHS London Botanical Art and Photography Show 2019』で
ゴールドメダルと最高賞のダブル受賞!!

世界が認めた!! 立川の葉画家・群馬直美さん(立川市羽衣町)

エリザベス女王を総裁に迎え、200年以上の歴史と34万人もの会員数を有する「英国王立園芸協会」主催の『THE RHS London Botanical Art and Photography Show 2019』で、立川の葉画家・群馬直美さんが、ゴールドメダルと最高賞である「Best Botanical Art Exhibit」をダブル受賞!!

厳格な審査が行われる判断基準は、植物イラストの品質、プレゼンテーションの質、トータルバランスの3テーマ・10項目。そのすべてにおいて、非の打ちどころなく満場一致でのダブル受賞!! 加えて、初応募、初出展、初戴冠と初づくしの群馬直美さん。
これまでの集大成と描きあげた出展作品。そしてこれからの作品づくりに向ける意気込みなど、お話を伺いました。
■■
この度のダブル受賞!! 大変おめでとうございます!!
ゴールドメダルに加えて、「Best Botanical Art Exhibit」(最高賞)と、その凄さが今ひとつピンとこないのですが、詳しく教えていただけませんか?

群馬
ありがとうございます。

ピンとこない? 
そうですよね(笑)

そもそも『THE RHS London Botanical Art and Photography Show』は、「英国王立園芸協会」が主催するアートショーで、協会の設立自体は、1800年代から続いていて200年以上の歴史と、34万人以上もの会員がいる団体です。
そしてこのアートショーに出展するためには、毎年4月までに書き下ろした4作品を同協会に提出して、審査を受けなければなりません。その審査で承認された作者だけが展示を許可されます。
実際に展示が許されると、このアートショーには、実物大、もしくはそれ以上の植物画で、テーマ性のある6点以上の作品が必要です。展示する展示幅も決まっていて、指定範囲を越えてはいけないんです。その条件をすべてクリアした上で、同協会の選考基準で厳格な審査が行われます。
今回は、私を含め30名のアーティストの展示があり、その内、私を含めた10名がゴールドメダリストに選ばれました。
そして、「Best Botanical Art Exhibit」は、植物イラストの品質、プレゼンテーションの質、トータルバランスの3っつのテーマを、さらに細かく10項目に分けてチェックする選考基準があって、そのすべての項目においてパーフェクトだったと講評をいただきました。

■■
え!? すごい!!
パーフェクトだったんですか!!

群馬
私、世界で通用するじゃん!!って思いました(笑)
これまで、身近な葉っぱたちに向きあい、コツコツと積み重ねてきたことが報われたようで、本当に嬉しかったです。

受賞作品『神さまの仕業 -ネギの一生-』

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今回受賞した出展作品の「下仁田ネギ」について、詳しく教えていただけますか?
またエピソードなどもあれば、一緒に聞かせていただけますか?

群馬
私の出身地、群馬県の名産品である「下仁田ネギ」をテーマにしたテンペラ画で、6枚の組作品になっています。
作品タイトルは『神さまの仕業 -ネギの一生-』です。
名産品といっても、単に群馬県で生産される「下仁田ネギ」ではなくて、群馬県でもごく限られた地域(下仁田町馬山地区)で、およそ250年の歳月に裏打ちされた歴史的な伝統農法で育てられた「下仁田ネギ」の一生です。
その伝統農法で代々「下仁田ネギ」を生産している大澤農園(11代目園主・大澤貴則)さんを訪ね、種植えから収穫までの15ヵ月間、作業工程を垣間見たり、体験させていただきながら、足かけ4年かけてこの組作品を完成しました。
■■
ご出身地の名産品と言っても、その地域でしか栽培できない伝統農法の「下仁田ネギ」
まさに、群馬さんのこれまでの集大成的な作品と言えますね。

群馬
はい。
これまで、どこにでもあるような身近な葉っぱ一枚いちまいに真摯に向き合い、細かい部分にも目を向けて、すべてを描いてきました。ネギの画も同様に描こうと思いました。
この下仁田ネギの制作で、構想・取材も含めて約4年、ネギと向き合ってきました。
最初の内、ネギの葉っぱの中に動物や宇宙人、いろいろな形が見えたりしていたんですけど、最後の1本を描いているとき、初めて人の姿が見えたんですよ(笑)まるで私が「下仁田ネギ」で、ネギが私の様な感覚、下仁田ネギと一体になった感じがしました。
⑥3月14日「花のはじまり」
花のはじまりのネギは、創造力に満ちている。左側の枯れ葉は、ガニ股で歩く人の脚。右側の枯れ葉は本を読みながら走る少女の姿。そして、白軸の下の方にグラサン男の顔。少し離れて見るとそれは、ジョンレノンの横顔にも見えてくる。

現地の方からラブリーって(笑)

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群馬さん独特の表現を海外の人たちに伝えるのに、とても苦労したとおっしゃっていましたが…

群馬
この『THE RHS London Botanical Art and Photography Show』は、世界的にみても、最も植物学的に特化した展覧会で、その植物の精密さ、かつ正確さが非常に要求されると聞いてました。
今回出展したネギの画は、例えば枯葉がこびりついていたり、土粒がついていたり、キズがあったそのままを描いたものです。
畑に行っていただいたネギをそのまま描いたものなのです!
植物学的にみたら、不必要とされることかもしれないけれど、この世の中でたった一本のネギ。たった一人の私という、今まで貫いてきたやり方で描きあげました。
世の中で不必要とされている要素で、このネギの画は出来上がっているのですよ !!!!!!!!

画につけるキャプションもとても大変でした。
植物学的見地に特化した展覧会だと聞いていたのですが、私のつけるキャプションは、私個人の目で見て感じたこと、読み取ったことを文章にしたものです。
これが海外の人たちに伝わるかどうか、とても不安でした。
不安のあまり、何度も出展を辞めようと思いました。
それが蓋を開けてみたら“ラブリー”と言われ、審査員も満場一致で画期的との評価で、最高賞をいただきました。

出展のきっかけは聖火ランナー!?

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今回、この『THE RHS London Botanical Art and Photography Show』に出展しようと思ったのは、何かきっかけがあったのですか?

群馬
振り返ると、1984年のロサンゼルスオリンピックで、聖火ランナーを経験したことが大きかったと思います。

■■
聖火ランナーですか? どういうことでしょう?

群馬
その当時、私は作家活動をはじめたばかりの頃で、海外、特にニューヨークへの憧れが強かったんです。
そんな時、ある企業がロサンゼルスオリンピックの聖火ランナーを募集している広告を見つけて、ニューヨークじゃないけどアメリカへ行けるチャンスが来た!! と、すぐ応募しました。
絶対、行ける気がしてたんです(笑)
結果的に、2万人の応募者の中から聖火ランナーに選ばれて、たった1キロだけですが、聖火を繋ぐ機会をいただきました。

聖火を掲げて走っていると、ギャラリーからは “You are great runner.” と声をかけらますが、走り終えればただの人(笑)
それは当たり前ですが、その時に思ったんです。
平和の祭典であるオリンピックで、たった1キロとはいえ平和の象徴である聖火を繋いだ。
この聖火は、私にとっては絵筆なんだ。私の描く葉っぱで、一人でも多くの方に感動を与えられるアーティストになろう!
憧れていたアメリカに来て、現地の葉っぱを見たとき、日本の葉っぱとは違い心動かされる感動がなかったこともありますが、日本で通用もしないで、世界に通用するはずはない!
そう心に誓って、日本で身近な葉っぱたちをテーマに、コツコツと作品をつくりつづけました。

■■
そして今回、世界的権威のある『THE RHS London Botanical Art and Photography Show 2019』で最高賞。これでひと区切りがつきましたが、今後については何かお考えなのですか? それとも燃え尽き症候群のように、まったくの白紙とか(笑)

群馬
いえ(笑)
もうすでに次のテーマは考えていて、どう描こうか思案しています。
このアトリエ(石田倉庫)に来て35年。ここから私のアーティスト活動がはじまり、ここで葉画家が誕生したのですよ。
その当時から、変わらず命の営みを繰り返している身近な植物があって、その植物の1年を描こうと思っています。

その作品は、不必要と思われる要素でできた交響曲のような組作品なんです。
O.ヘンリーの短編小説「最期の一葉」も絡んできます。
アトリエの外壁の最期の一葉。私に見つけられますかね~。

それは…!!

群馬直美 個展 のお知らせ!!

「Best Botanical Art Exhibit」受賞作品が揃う
帰国後、最初の展覧会が地元、群馬県前橋市のギャラリーで開催中!!
群馬直美さんの描きおろしたネギの原画6点が目の前で観られるのは、今年限り!? です。


群馬直美 個展
ー 下仁田ネギの一生と、ヤマトビオトープ園の葉っぱたち -

展示期間:2019年9月27日(金)まで
開館時間:AM10:00 ~ PM5:00 入場無料

会場:株式会社ヤマト 本社 1F ギャラリーホール
(群馬県前橋市古市町 118 TEL 027-290-1800)
休館日:土日・祝日 【但し、9/21(土)・22日(日)は開館】
作家来場日:9/21(土)・22日(日)

木の葉の美術館 群馬直美 公式ホームページ

https://wood.jp/konoha/

葉画家・群馬直美 公認ファンページ

群馬直美 プロフィール

群馬県高崎市生まれ
東京造形大学 絵画科卒
大学在学中より、これまでの作品から方針転換、“誰にでも描ける葉っぱ”をテーマに活動をはじめる。1991年より、緻密な描写ができる現在の手法が完成する

【著書】
『木の葉の美術館』『木の実の宝石箱』『街路樹 葉っぱの詩』『群馬直美の木の葉と木の実の美術館』(世界文化社)
『言の葉 葉っぱ暦』(けやき出版)など

【ワークショップ】
『世田谷美術館世田谷大学』2008年より、年間60名・全12回で開催中
『葉っぱ研究会』2010年より、年6回ペースで開催中

【連載・掲載】
■株式会社ヤマト(群馬県前橋市)
 ★月刊紙『ヤマトネイチャーサークル』
 ★WEBページ『ヤマトネイチャーサークル
■一般社団法人 公園財団(東京都文京区)
 ★公園文化WEB『葉画家 群馬直美さんのアートコラム